木村美都子税理士事務所 木村昌宏税理士・社労士事務所

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2015年10月15日
利益が決まるのはいつか

本日の書評は、西順一郎 編著 宇野寛/米津晋次 著『利益が見える戦略MQ会計』(かんき出版2009年12月)です。キャッシュフローコーチの師である和仁達也先生が考え方を参考にしている西順一郎氏が編著の書籍となります。


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P.42、43から要約・抜粋します。
試算表がすぐに出る会社は少ない。すぐに出ない理由として、営業が納品書をなかなか発行しない、仕入業者から届く請求書がいつも遅れる、社長の仮払金清算が遅れる等々が挙げられる。

ようやく出てきた試算表をもとに経営会議が開かれるが、先月の実績の発表、目標と実績の対比分析と原因追究で終わっている。「先月の反省会」と「今月のがんばろう会」に成り下がってしまっているのだと指摘。これを毎月繰り返して、はたして利益は本当に増えるのか、と。

では、利益はどの段階で決まるのか。それは「見積り」のときだ。利益が確定し、実現するのはもちろん商品を納めたりサービスを提供したときだが、見積りを経て価格が決定した段階で、ほぼ利益が決まってしまう。利益は、決して決算のときに決まるのではない。月間あるいは年間に稼ぎ出した利益を、会計という手法を使って計算しているにすぎない。なので、会計の段階で「利益が出ない!」と言ってみても、すでに手遅れだ。決算書は「単なる結果報告書」に過ぎないのだから。

税務を中心とした制度会計がいかに中小企業経営者が「儲けるための発想」をする上で、大きな障害となっているかを書籍の冒頭で指摘しています。障害としないためには、決算書を経営に活用しようと思わなければ良いと指摘。決算書の役割は、本来の目的である「対外報告書」であると割り切ることが重要だと。経営者に必要なのは「儲けるための会計学」だと指摘し、具体的に本論に入っていきます。

このような思想を背景にキャッシュフローコーチのノウハウの一部は構築されています。私があえてこのFBページで税理士という肩書を記載していないのは、私もこのような考え方がベースにあるからです。税務会計と意思決定・経営判断に必要な会計とは全く別物であると考えているからです。

<明日も戦略MQ会計の続きを予定しています>

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