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2011年2月22日、ホテルセンチュリー静岡で開催されたShizugin ship全体フォーラムに参加してきました。
基調講演が、株式会社星野リゾート 代表取締役 星野佳路氏でした。
著名度があり、数々のリゾート施設の再生を手掛けている方のご講演ということもあり、
大勢の方が参加されていました。
以前、中沢康彦著書の『星野リゾートの教科書 サービスと利益 両立の法則』(日経BP社 2010年4月19日)を読み、再生請負人といわれる星野氏が教科書通りに経営をしているということに興味をもっていました。
全般的に素晴らしいご講演で、やられていること全てが理にかなっているという印象でした。
本当に「教科書通り」、すなわち基本に忠実な経営をされていることが、言葉の端々から伝わってきました。
特に印象に残った点を以下簡単にまとめます。
①国内の旅行消費額は、毎年安定している。
伊豆半島を報道されるイメージから、パイが縮小している業種かと漠然と思っていました。
しかし、そうではないとのことに驚きました。
むしろ、今後の外国人観光客の増加を考えると、成長産業なのかもしれません。
②外国人観光客は増えているが、世界的なシェア争いでは、日本は負けている。
なんか日本らしいと感じました。
自分たちの国の魅力に気づいていない感じが残念です。
③コンセプトがある。
「谷の集落に滞在する」星のや軽井沢
「水辺の私邸を訪れる」星のや京都
のように、コンセプトが明確になっているから、ぶれないサービスが提供でき、結果顧客満足度が高いのだと思います。
④人材に一番悩んできた。
結果、仕事が楽しめる環境づくりをするようにしてきた。
ビジョン・価値観の共有、コンセプトの共感等々。
私もとても大切なことだと最近感じております。
以前ビジネス倶楽部でもお招きした、坂本光司先生の考え方に通じるものがあると感じました。
⑤ホテル・旅館業界では、競合を見に行くことが容易にできる。
むしろ、歓待までされてしまうくらいである。
普通は、成功の秘訣をライバル会社にはあまり話したがらないにもかかわらず、この業界ではオープンな体質があるとのことでした。そのわりには閉鎖的な経営をしている所も多いように感じます(ホテル・旅館経営者の方、ごめんなさい)。
⑥ねぶた祭りのときは、青森中のホテルが予約でいっぱいになる。
であれば、毎日ホテルの中でねぶた祭りをしてしまえという発想。
個人的には、すごく好きです。
⑦地方のホテルは、なぜか東京スタイルを目指してしまう。
東京から大勢のお客がくるのに。
不思議ですね。
⑧満足度アンケートでのクレームはあまり気にしない。
褒めてもらったことをピックアップする。
これまたビジネス倶楽部でお呼びした藤村正宏先生と同じことをおっしゃっていました。
クレームはあるものなのです。
どちらに焦点を当てるかだと思います。
結局、ビジネスで重要なことに気付いた人がやはり成功しているのだと感じます。
⑨アルツ磐梯スキー場のコンセプトが「PLAYER SUPPORT」。
みんなスキー・スノボをうまくなって帰りたい。
そこで、考えたのが上達保証付きのレッスン。
これまた、マーケティングの基本「リスクリバーサル」。
決められたレベルに達しない場合、料金を全額返金しますよ、と謳い、入口を下げる手法です。
うーん、教科書通り。
⑩さらに、レッスンの先生が、後に「また来てね」とDM。
関係性の深化を意識したDMを、見事なまでに活用法。
たしかにお世話になった先生に誘われたら、また行こうと思っちゃいますよね。
本当に勉強になりました。
自分が今一生懸命勉強しているマネジメント全般について、しっかりとお客様にお伝えすれば、星野リゾートのように成功できるという確信が掴めました。
今後もますますマネジメントの勉強をし、お客様への経営支援に役立てたいと思いました。
いつか、ビジネス倶楽部の講師できていただきたいと思っております。
星野社長、またShizugin ship運営者の皆様、ありがとうございました。