思いもよらぬことで想定以上の相続税額を納税!?
父が亡くなったと娘様が相続の相談に来られました。母もすでに他界しており相続人も1人で、その手続きはスムーズにいくと思われましたが、最後に少しだけ思いもよらないことがありました。一般的にはあまりない珍しいケースですが、相続のしくみを知るのに有用だと思いますのでご紹介いたします。
まずは丁寧にヒアリング
まずは大まかに相続税の納税が出そうか否かの確認から入ります。納税があるかないかでその後の作業内容が大きく異なってくるからです。
そうしたところ、相続税の納税が出そうでしたので必要資料の説明に移りました。その際に相続財産としてみなされるものが何かもしっかりと説明をしていきます。
普段意識していないものでも相続財産としてみなされるケースがけっこうあったりするからです。相続人の方に、相続財産として該当しそうなものがないかを確認してもらい、財産の申告漏れがないようにしていきます。
子どもの生命保険を親の口座から払っている場合などは、契約者が子どもであっても実質の保険料負担者は親のため、親の財産(解約返戻金相当額で評価)とみなされてしまいます。このようなケースは注意が必要になるからです。
他には、亡くなる直前に現金を引き出す方が多くいらっしゃいますが、消費されずに残っているケースが多くあります。これも相続財産となるのです。
財産以外にも、亡くなったお父様のことについてお話を聞きました。どのような生活をしていたかも確認することで相続財産の漏れがない安心の相続税申告に繋がっていくからです。
娘様は結婚してから家を離れて生活をしていたようです。
お父様は夫婦2人で生活していたようです。
その後、お母様が亡くなり1人で生活をされていたようです。
近所にお父様の兄家族が住んでおり、その娘さん(親戚)がよく面倒をみてくれていたようです。買い物に一緒に出掛けるなど、身の回りのこともよく手伝ってくれていたそうです。
そうしたところ、相続税の納税が出そうでしたので必要資料の説明に移りました。その際に相続財産としてみなされるものが何かもしっかりと説明をしていきます。
普段意識していないものでも相続財産としてみなされるケースがけっこうあったりするからです。相続人の方に、相続財産として該当しそうなものがないかを確認してもらい、財産の申告漏れがないようにしていきます。
子どもの生命保険を親の口座から払っている場合などは、契約者が子どもであっても実質の保険料負担者は親のため、親の財産(解約返戻金相当額で評価)とみなされてしまいます。このようなケースは注意が必要になるからです。
他には、亡くなる直前に現金を引き出す方が多くいらっしゃいますが、消費されずに残っているケースが多くあります。これも相続財産となるのです。
財産以外にも、亡くなったお父様のことについてお話を聞きました。どのような生活をしていたかも確認することで相続財産の漏れがない安心の相続税申告に繋がっていくからです。
娘様は結婚してから家を離れて生活をしていたようです。
お父様は夫婦2人で生活していたようです。
その後、お母様が亡くなり1人で生活をされていたようです。
近所にお父様の兄家族が住んでおり、その娘さん(親戚)がよく面倒をみてくれていたようです。買い物に一緒に出掛けるなど、身の回りのこともよく手伝ってくれていたそうです。
少しでも気になることは必ず確認
不動産の相続税評価も終わり、金融機関等の残高証明も取得し、財産がほぼ出そろったところで、再度打合せをしました。
財産目録を一つ一つ確認してきました。亡くなったお父様の預貯金についても取引の内容を確認しました。
最後に死亡保険金の話をしました。
500万円×法定相続人の数の金額まで死亡保険金は非課税となります。
生命保険は1件ありましたが非課税限度額内となりました。
他に財産で思い当たるものはないかの最終確認をしていました。
そこで一つ気になることがあり話をしてみました。
前出したお父様の兄家族の娘さん(親戚)のことです。
よく面倒を見ていたということが気になり、念のため親戚の方に現金贈与など何かしてもらったことがないかを確認してもらうことになりました。現金贈与などがされていて、贈与税の申告をしていない等があれば申告をしなければなりません。
最終的には、他に相続財産として計上すべきものはないかの話を直接し、確認することになりました。
財産目録を一つ一つ確認してきました。亡くなったお父様の預貯金についても取引の内容を確認しました。
最後に死亡保険金の話をしました。
500万円×法定相続人の数の金額まで死亡保険金は非課税となります。
生命保険は1件ありましたが非課税限度額内となりました。
他に財産で思い当たるものはないかの最終確認をしていました。
そこで一つ気になることがあり話をしてみました。
前出したお父様の兄家族の娘さん(親戚)のことです。
よく面倒を見ていたということが気になり、念のため親戚の方に現金贈与など何かしてもらったことがないかを確認してもらうことになりました。現金贈与などがされていて、贈与税の申告をしていない等があれば申告をしなければなりません。
最終的には、他に相続財産として計上すべきものはないかの話を直接し、確認することになりました。
思いもよらぬこと、とは?
実際にお会いして確認をしてみると、親戚の方が死亡保険金の受取人の生命保険があったようです。保険金で500万を受け取ったと話がありました。
一般的に500万円なら死亡保険金の非課税限度額の範囲で、相続税も大丈夫という話になるところですが、今回は少し違います。
親戚の方は法定相続人ではありません。そのため今回の死亡保険金は、親戚の方が遺贈により財産を取得したとみなされます。
法定相続人ではないため、死亡保険金の非課税限度額もありません。
つまり500万円の財産を遺贈で取得したことになるのです。
今回は元々相続税が発生することになっていましたので、500万円を遺贈で取得した親戚の方も、財産を取得した分の相続税を払わないといけません。
その相続税も通常の相続税の2割に相当する金額を加算する必要がありました。これは「相続税の2割加算」という制度によるもので、相続や遺贈で財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族および配偶者以外の人である場合には、その人の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額を加算しなければならないというしくみです。
親戚の方は相続税がかかるとは思ってもおらず、既に保険金を自分の子どもの学費の足しにしてしまっていたようです。また相続税の2割加算のしくみについても当然知らず驚いておられました。
お父様は保険証券を親戚の方に渡しており、万が一のことがあったら請求するようにと伝えておいたようです。
手元にある預金通帳は精査するのですが、今回の保険料は何年も前に一時払いで支払いをされており、履歴が追いきれませんでした。しかし、気になることを質問した結果、親戚の方に直接確認することができ、申告漏れが起こらずに税務調査が来ることや延滞税等を支払うことも免れることができました。
一般的に500万円なら死亡保険金の非課税限度額の範囲で、相続税も大丈夫という話になるところですが、今回は少し違います。
親戚の方は法定相続人ではありません。そのため今回の死亡保険金は、親戚の方が遺贈により財産を取得したとみなされます。
法定相続人ではないため、死亡保険金の非課税限度額もありません。
つまり500万円の財産を遺贈で取得したことになるのです。
今回は元々相続税が発生することになっていましたので、500万円を遺贈で取得した親戚の方も、財産を取得した分の相続税を払わないといけません。
その相続税も通常の相続税の2割に相当する金額を加算する必要がありました。これは「相続税の2割加算」という制度によるもので、相続や遺贈で財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族および配偶者以外の人である場合には、その人の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額を加算しなければならないというしくみです。
親戚の方は相続税がかかるとは思ってもおらず、既に保険金を自分の子どもの学費の足しにしてしまっていたようです。また相続税の2割加算のしくみについても当然知らず驚いておられました。
お父様は保険証券を親戚の方に渡しており、万が一のことがあったら請求するようにと伝えておいたようです。
手元にある預金通帳は精査するのですが、今回の保険料は何年も前に一時払いで支払いをされており、履歴が追いきれませんでした。しかし、気になることを質問した結果、親戚の方に直接確認することができ、申告漏れが起こらずに税務調査が来ることや延滞税等を支払うことも免れることができました。
相続は事前の対策が重要です
相談者は父が生前お世話になったということもあり、親戚の方の分の相続税も納付をしました。
納税分は贈与をしたことになりますが、その納税分が贈与税の非課税の範囲におさまりましたので課税関係は特に生じませんでした。
親戚の方は納税もしていただき感謝していると話されていました。
親戚の方と話した際に、保険会社の人からは「500万円でしたら相続税は非課税」との説明があったとのことでした。そのため全てを学費の足しにしたとのことでした。
おそらく保険会社の人は一般的な説明をしたのでしょう。
ですが今回はそれに当てはまりませんでした。
親戚の方が法定相続人に該当しないため、死亡保険金の非課税限度額もなく、さらに相続税も2割加算されるという、今回は比較的レアなケースでした。
相続人に対して、相続財産としてみなされるものを一通り説明しても、今回のような珍しい場合ですと相続財産から漏れてしまう可能性があります。
そのようなことがないように、弊社では相続人の方としっかりお話をし、漏れがない安心の相続に繋がるようにと色々なお話の中から適正な相続申告に繋がる情報を探すことを心がけております。
もっと言うと、毎回記載しているのですが、相続が起こる前の事前に相続に向けての相談を受けていれば、今回のようなケースがあることも事前にお話ができていたかもしれません。
親戚の方も事前に相続税がかかることが分かっていれば、事前に対策を考えられたかもしれません。
木村美都子税理士事務所では事前にご予約をいただければ無料で相続の相談を実施しております。相続税のことだけでなく、相続人やその親族の人間関係から生じる相続で注意しなければならない点など、相談される方の状況に応じて何かしらの有益な情報を持ち帰っていただこうと相談に乗っております。
相続に対する漠然とした不安をかかえていらっしゃるようでしたら、ぜひ一度ご相談にお越しください。どうすればより良い相続を迎えることができるかを一緒に親身になって考えます。
納税分は贈与をしたことになりますが、その納税分が贈与税の非課税の範囲におさまりましたので課税関係は特に生じませんでした。
親戚の方は納税もしていただき感謝していると話されていました。
親戚の方と話した際に、保険会社の人からは「500万円でしたら相続税は非課税」との説明があったとのことでした。そのため全てを学費の足しにしたとのことでした。
おそらく保険会社の人は一般的な説明をしたのでしょう。
ですが今回はそれに当てはまりませんでした。
親戚の方が法定相続人に該当しないため、死亡保険金の非課税限度額もなく、さらに相続税も2割加算されるという、今回は比較的レアなケースでした。
相続人に対して、相続財産としてみなされるものを一通り説明しても、今回のような珍しい場合ですと相続財産から漏れてしまう可能性があります。
そのようなことがないように、弊社では相続人の方としっかりお話をし、漏れがない安心の相続に繋がるようにと色々なお話の中から適正な相続申告に繋がる情報を探すことを心がけております。
もっと言うと、毎回記載しているのですが、相続が起こる前の事前に相続に向けての相談を受けていれば、今回のようなケースがあることも事前にお話ができていたかもしれません。
親戚の方も事前に相続税がかかることが分かっていれば、事前に対策を考えられたかもしれません。
木村美都子税理士事務所では事前にご予約をいただければ無料で相続の相談を実施しております。相続税のことだけでなく、相続人やその親族の人間関係から生じる相続で注意しなければならない点など、相談される方の状況に応じて何かしらの有益な情報を持ち帰っていただこうと相談に乗っております。
相続に対する漠然とした不安をかかえていらっしゃるようでしたら、ぜひ一度ご相談にお越しください。どうすればより良い相続を迎えることができるかを一緒に親身になって考えます。