生命保険活用で遺言と同じような効果をもたらした相続事例
母が亡くなったと子の長男と長女が相談に来られました。母は遺言を残しませんでしたが、生前に自分の想いが伝わるように準備をして亡くなりました。その想いを受けて二人は話し合い、遺産分割協議はスムーズに終わりました。今回は遺言がなくても円満な相続ができた事例を紹介します。
いつものようにまずは一緒に財産確認から
相談にこられた際、長男は遠方に住んでおり、相続の手続きは長女と一緒に、とお願いされました。
不動産はいくつかあり、取引のある金融機関もいくつかあるようでした。
生命保険の契約もあります。
長女も一人では不安だということで、一緒に確認をしながら財産の資料を集めていきました。
金融機関で残高証明を取得しました。過去に何回か引っ越しをしているということでしたので、念のため過去の住所で照会をかけました。そうしたところ、随分前に住んでいた住所で定期預金の契約が残っていることが判明しました。
長女は、自宅を整理した際に証書は見つかっていないため、照会をかけて良かったと仰ってくれました。
不動産はいくつかあり、取引のある金融機関もいくつかあるようでした。
生命保険の契約もあります。
長女も一人では不安だということで、一緒に確認をしながら財産の資料を集めていきました。
金融機関で残高証明を取得しました。過去に何回か引っ越しをしているということでしたので、念のため過去の住所で照会をかけました。そうしたところ、随分前に住んでいた住所で定期預金の契約が残っていることが判明しました。
長女は、自宅を整理した際に証書は見つかっていないため、照会をかけて良かったと仰ってくれました。
金融資産の残高証明書の取得は大事
相続の相談で通帳をお持ちになられて、「通帳を探したらこれしかない」とおっしゃる方が多くいます。そして、金融機関に残高証明書を取得しに行くのが大変なため、「これしかないので残高証明書まではいらないのでは?」と話されます。
ですが、通帳ではなく証書で契約がある場合や、通帳や証書の媒体そのものを紛失しているケースもあります。その場合、残高証明書を取得すれば契約の有無や残高を確認することができます。
今回のように別の住所で、というのはレアなケースですが、過去の住所が複数あった場合でも照会をかけて確認することができます。
相続税の申告が終わり金融機関の預金解約手続を行った際に、実は別に預金契約があり財産が増えます、ということになると「相続税の修正申告」を行う必要が出てきます。
申告の手間がかかり、さらに延滞税なども発生してしまいます。
残高証明書を取得する手間を惜しんだせいで余計に手間や税金がかかることになりますので、残高証明書は財産確認の際に必ず取得することをおすすめしています。
ですが、通帳ではなく証書で契約がある場合や、通帳や証書の媒体そのものを紛失しているケースもあります。その場合、残高証明書を取得すれば契約の有無や残高を確認することができます。
今回のように別の住所で、というのはレアなケースですが、過去の住所が複数あった場合でも照会をかけて確認することができます。
相続税の申告が終わり金融機関の預金解約手続を行った際に、実は別に預金契約があり財産が増えます、ということになると「相続税の修正申告」を行う必要が出てきます。
申告の手間がかかり、さらに延滞税なども発生してしまいます。
残高証明書を取得する手間を惜しんだせいで余計に手間や税金がかかることになりますので、残高証明書は財産確認の際に必ず取得することをおすすめしています。
想いを汲んだ遺産分割協議と生命保険
財産の確認が終わると次は遺産分割協議です。
不動産は、母の自宅と賃貸している土地が3か所ありました。
長男、長女ともにそれぞれ自宅を所有しております。
母が住んでいた自宅をすぐに処分するのは寂しいのでしばらくは維持し、自宅以外の賃貸している土地は相続した後に売却する方向でまとまりました。
母の自宅と賃貸している土地の2か所を長男、その他の1か所を長女が相続することになりました。長女が相続する土地は賃貸している土地のなかでも一番高く売れる見込みの土地です。
預貯金は2分の1ずつ相続することになりました。
スムーズに分割協議は終わりましたが、財産のうち生命保険の契約に特徴がありました。
長男が死亡保険金の受取人になっている生命保険が1つありました。
その金額は、死亡保険金の非課税限度額を超える金額でした。
金額としては少し多く感じます。
相続対策として一般的に非課税限度額まで加入する方が多いなか、今回はそれ以上に加入されていました。
それには理由がありました。
長男は以前大病を患い、その後仕事に復帰されています。
通院を続けており医療費がかかるため生活資金は多ければ多いほど助かります。
そのため、亡くなった母は遺産分割に関係なく、長男が困らないように生命保険金を多く受け取れるように準備をしていました。
遺言を作成しておけばよいのではと思いましたが、母には母の想いがありました。
生前に母は「二人が話し合って決めればいいと思うし、二人は喧嘩するような子に育てた覚えもない。その時の状況でお互いのことを考えて財産を分けて欲しい」と言っていたようです。
生命保険は最低限長男が困らないようにと相続対策をされていました。
長男は生活のために生命保険金を多く残してもらっていることから、その代わりに長女に対しては相続の負担をできるだけ軽くしてあげたいと思っていました。
そのため、不動産の売買も1回で済むように広くて高く売れる土地を相続してもらうことにしました。
長女は長男への生命保険金については母の想いなので何も言うつもりもなく、預貯金も生活のため長男が多めに相続してもよいと考えていました。
お互いが相手を気遣いながら、結果半分ずつでということになりました。
不動産は、母の自宅と賃貸している土地が3か所ありました。
長男、長女ともにそれぞれ自宅を所有しております。
母が住んでいた自宅をすぐに処分するのは寂しいのでしばらくは維持し、自宅以外の賃貸している土地は相続した後に売却する方向でまとまりました。
母の自宅と賃貸している土地の2か所を長男、その他の1か所を長女が相続することになりました。長女が相続する土地は賃貸している土地のなかでも一番高く売れる見込みの土地です。
預貯金は2分の1ずつ相続することになりました。
スムーズに分割協議は終わりましたが、財産のうち生命保険の契約に特徴がありました。
長男が死亡保険金の受取人になっている生命保険が1つありました。
その金額は、死亡保険金の非課税限度額を超える金額でした。
金額としては少し多く感じます。
相続対策として一般的に非課税限度額まで加入する方が多いなか、今回はそれ以上に加入されていました。
それには理由がありました。
長男は以前大病を患い、その後仕事に復帰されています。
通院を続けており医療費がかかるため生活資金は多ければ多いほど助かります。
そのため、亡くなった母は遺産分割に関係なく、長男が困らないように生命保険金を多く受け取れるように準備をしていました。
遺言を作成しておけばよいのではと思いましたが、母には母の想いがありました。
生前に母は「二人が話し合って決めればいいと思うし、二人は喧嘩するような子に育てた覚えもない。その時の状況でお互いのことを考えて財産を分けて欲しい」と言っていたようです。
生命保険は最低限長男が困らないようにと相続対策をされていました。
長男は生活のために生命保険金を多く残してもらっていることから、その代わりに長女に対しては相続の負担をできるだけ軽くしてあげたいと思っていました。
そのため、不動産の売買も1回で済むように広くて高く売れる土地を相続してもらうことにしました。
長女は長男への生命保険金については母の想いなので何も言うつもりもなく、預貯金も生活のため長男が多めに相続してもよいと考えていました。
お互いが相手を気遣いながら、結果半分ずつでということになりました。
まとめ
今回の相続は遺言がなく、母が長男のために生命保険金を用意し、それ以外はふたりで話し合いを、という内容でした。
生命保険金の受取人指定は遺言と同じような効果があります。
もし今回の相続が揉めていたとしても、生命保険で受け取った金額については長男のものとして変わりありません。病気のため生活費が必要だろうという母の気持ちは何があっても届けることができます。
遺言まで作るのは大変、という人であっても今回のように生命保険で想いを届けることは可能です。
さらに今回のケースは、相続人が他の相続人のことを気遣える関係であったため遺産分割協議がスムーズにまとまりました。
一方で一般的に、遺産分割協議は相続人のその時の状況により話し合いがまとまらないこともあります。相続人の誰かの生活が苦しく、少しでも多く財産を相続したいと主張することもあります。
相続は家庭の事情により、遺言を残さなくても円滑にまとまるケースと遺言を残しておいたほうが良いケースなど様々です。
自分の想いをどのように残したいか。
そのためには何をしておいたら良いか。
それを考えるためにはまずは相続財産を把握し、相続税額の概要を知ることが大切となってきます。そのためには相続シミュレーションが有効です。
弊社では簡易相続シミュレーションを無料で行っております。ご自身の相続を考えるために、まずは専門家の力を借りてシミュレーションを行うことから始めることを推奨しております。一緒にご自身の相続のことを考えてみませんか。
生命保険金の受取人指定は遺言と同じような効果があります。
もし今回の相続が揉めていたとしても、生命保険で受け取った金額については長男のものとして変わりありません。病気のため生活費が必要だろうという母の気持ちは何があっても届けることができます。
遺言まで作るのは大変、という人であっても今回のように生命保険で想いを届けることは可能です。
さらに今回のケースは、相続人が他の相続人のことを気遣える関係であったため遺産分割協議がスムーズにまとまりました。
一方で一般的に、遺産分割協議は相続人のその時の状況により話し合いがまとまらないこともあります。相続人の誰かの生活が苦しく、少しでも多く財産を相続したいと主張することもあります。
相続は家庭の事情により、遺言を残さなくても円滑にまとまるケースと遺言を残しておいたほうが良いケースなど様々です。
自分の想いをどのように残したいか。
そのためには何をしておいたら良いか。
それを考えるためにはまずは相続財産を把握し、相続税額の概要を知ることが大切となってきます。そのためには相続シミュレーションが有効です。
弊社では簡易相続シミュレーションを無料で行っております。ご自身の相続を考えるために、まずは専門家の力を借りてシミュレーションを行うことから始めることを推奨しております。一緒にご自身の相続のことを考えてみませんか。