遺産分割協議を上手にまとめるコツ
母が亡くなったとご相談に来られたお客様。相続人は3人姉妹です。もめることはありませんでしたが、話し合いには少し時間がかかりました。今回は、様々な視点から考えて遺産分割協議を行った結果、うまくまとまった事例を紹介します。
相続人の状況と財産の把握
亡くなった母の家系は代々農家でした。
母が後を継いでいました。
そのため自宅の土地や畑、山林などを所有しております。また、預貯金もしっかり残されていたので相続税の納税が必要でした。申告期限までには遺産分割協議を成立させ、相続税の申告をしなければなりません。
長女は母と同居しておりました。結婚をして子どもは長男と二男がいます。夫は先に亡くなっており、子は家を出て生活しておりましたので、母と二人実家で生活をしていました。
二女と三女がいますが、結婚し家を出て生活をしていました。
相続財産の確認を行い、財産目録を作成したところで一度3人と遺産分割の打ち合わせをすることにしました。
母が後を継いでいました。
そのため自宅の土地や畑、山林などを所有しております。また、預貯金もしっかり残されていたので相続税の納税が必要でした。申告期限までには遺産分割協議を成立させ、相続税の申告をしなければなりません。
長女は母と同居しておりました。結婚をして子どもは長男と二男がいます。夫は先に亡くなっており、子は家を出て生活しておりましたので、母と二人実家で生活をしていました。
二女と三女がいますが、結婚し家を出て生活をしていました。
相続財産の確認を行い、財産目録を作成したところで一度3人と遺産分割の打ち合わせをすることにしました。
遺産分割協議
不動産は自宅の土地と建物、畑、山林があり、長女が相続することになりました。
残りは預貯金です。およそ3,000万円ありました。
長女は不動産を多く取得するため預貯金は二女、三女に多く相続してもらいたい意向でした。
しかし、二女と三女は違いました。二人は家を継いでもらっており、母の面倒も見てもらっていたので、すべての財産は長女が相続してもらいたい意向でした。
また、いずれ長女の子が家を継いでいくと話をしているようなので、その子のためにも残してあげたいと考えておりました。
お互いがお互いのことを思って遺産分割する場合、もめているのではなく、配慮によってなかなか話が進まないということがあります。
そのためこちらから、視点を変えていただくご提案をしました。
相手に相続してもらうための「理由」を考えてもらうことにしたのです。
残りは預貯金です。およそ3,000万円ありました。
長女は不動産を多く取得するため預貯金は二女、三女に多く相続してもらいたい意向でした。
しかし、二女と三女は違いました。二人は家を継いでもらっており、母の面倒も見てもらっていたので、すべての財産は長女が相続してもらいたい意向でした。
また、いずれ長女の子が家を継いでいくと話をしているようなので、その子のためにも残してあげたいと考えておりました。
お互いがお互いのことを思って遺産分割する場合、もめているのではなく、配慮によってなかなか話が進まないということがあります。
そのためこちらから、視点を変えていただくご提案をしました。
相手に相続してもらうための「理由」を考えてもらうことにしたのです。
相続する理由を考える
長女は二女と三女にも預貯金を相続してもらいたい。
どういう理由なら相続してもらえるか。
例えば、長女に何かあった場合に、今回相続する預貯金から使ってもらうようにすることや、亡母の法要の費用などは二人が相続したお金から負担するなど、間接的に長女のサポートになるようなことに使うのならば相続することを検討してもらえそうです。
二女と三女は長女にすべて相続してもらいたい。
どういう理由なら相続してもらえるか。
自宅も古くなっているのでリフォームなどの費用が今後必要になるかもしれません。二女、三女が相続した預貯金からリフォーム費用を支出すると贈与になってしまいます。そのため二女、三女は最初からその時に備えるために長女に相続してもらう提案ができたりします。今じゃなくても将来家を継ぐ長女の子どものために残してあげることができます。
具体的なケースを想像しながら話をしてみました。3人とも仲が良いので、冗談も言いながら雰囲気もよく話が盛り上がりました。
その結果、遺産分割は無事まとまりました。
二女、三女は500万ずつ、残りはすべて長女が相続します。長女が一番納得したのは自宅のことでした。古くなった家を建て替えるにしてもリフォームするにしてもお金がいることです。夫は亡くなっており年金生活のためお金が必要になるケースを考えたら、相続させてもらったほうが心強いと感じたようです。
二女と三女は姉のため500万円ずつ相続することにしました。最後は「お姉ちゃんがどうしても!というのなら仕方ないね」と笑いながら話をしていたのが印象的でした。このお金はこの家に関係することや3姉妹のために使いたいと話をされていました。
無事遺産分割協議も終わり、相続税の申告も終わりました。
一番多く財産を相続した長女には子が二人いるので、相続対策として「死亡保険金の非課税枠 500万円×相続人数」を準備しておくように提案もさせていただきました。これから預貯金を消費されるとは思いますが、この非課税枠を上手に使いながら、万が一の際に困らないような備えをしておくこともしました。
どういう理由なら相続してもらえるか。
例えば、長女に何かあった場合に、今回相続する預貯金から使ってもらうようにすることや、亡母の法要の費用などは二人が相続したお金から負担するなど、間接的に長女のサポートになるようなことに使うのならば相続することを検討してもらえそうです。
二女と三女は長女にすべて相続してもらいたい。
どういう理由なら相続してもらえるか。
自宅も古くなっているのでリフォームなどの費用が今後必要になるかもしれません。二女、三女が相続した預貯金からリフォーム費用を支出すると贈与になってしまいます。そのため二女、三女は最初からその時に備えるために長女に相続してもらう提案ができたりします。今じゃなくても将来家を継ぐ長女の子どものために残してあげることができます。
具体的なケースを想像しながら話をしてみました。3人とも仲が良いので、冗談も言いながら雰囲気もよく話が盛り上がりました。
その結果、遺産分割は無事まとまりました。
二女、三女は500万ずつ、残りはすべて長女が相続します。長女が一番納得したのは自宅のことでした。古くなった家を建て替えるにしてもリフォームするにしてもお金がいることです。夫は亡くなっており年金生活のためお金が必要になるケースを考えたら、相続させてもらったほうが心強いと感じたようです。
二女と三女は姉のため500万円ずつ相続することにしました。最後は「お姉ちゃんがどうしても!というのなら仕方ないね」と笑いながら話をしていたのが印象的でした。このお金はこの家に関係することや3姉妹のために使いたいと話をされていました。
無事遺産分割協議も終わり、相続税の申告も終わりました。
一番多く財産を相続した長女には子が二人いるので、相続対策として「死亡保険金の非課税枠 500万円×相続人数」を準備しておくように提案もさせていただきました。これから預貯金を消費されるとは思いますが、この非課税枠を上手に使いながら、万が一の際に困らないような備えをしておくこともしました。
まとめ
今回のようにお互いがお互いを思いやり譲り合っている相続の場合は、譲り合いを解消するために、相手がどのような理由であれば相続してくれるかを考えてみると話がまとまりやすくなります。
将来に何が起こるのかを一緒に考え、その事象に対しては誰が費用を出すのか、その費用はどれくらいになるのか、どうするのがベストなのかを具体的に考えてみると、それを実現させるためにはどのように相続すれば良いのかが自ずと見えてきます。
また、様々な視点で考えるには、相続の経験が少ない自分たちだけでは思いつかないこともあると思います。木村美都子税理士事務所では、様々な視点で考えられるようにこれまでの経験や知見を基に、そして何よりも被相続人と相続人の皆様のご意思を大切にお話をしていきますので、結果として良い遺産分割協議が可能となっていきます。相続が起こりそうな時、起こった際はぜひ気軽にご相談ください。
将来に何が起こるのかを一緒に考え、その事象に対しては誰が費用を出すのか、その費用はどれくらいになるのか、どうするのがベストなのかを具体的に考えてみると、それを実現させるためにはどのように相続すれば良いのかが自ずと見えてきます。
また、様々な視点で考えるには、相続の経験が少ない自分たちだけでは思いつかないこともあると思います。木村美都子税理士事務所では、様々な視点で考えられるようにこれまでの経験や知見を基に、そして何よりも被相続人と相続人の皆様のご意思を大切にお話をしていきますので、結果として良い遺産分割協議が可能となっていきます。相続が起こりそうな時、起こった際はぜひ気軽にご相談ください。