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相続税申告で気を付けるべき6つのポイント

相続税の申告は、一生のうちでそう何度も経験するものではありません。今回は、相続税の申告で特に気を付けておくべき6つのポイントについて、わかりやすく紹介いたします。

相続の不安

相続の相談に来られたお客様から「初めてのことばかりで不安」「どんなことに注意すればいいの?」という声を多くいただきます。

また、相続は「税金の手続き」だけでなく、「ご家族の思い」や「これからの生活設計」にも関わる大切な節目でもあります。

申告を正しく行うことはもちろん、今後の財産管理や相続対策の第一歩としても非常に重要となってきます。
 
 

6つのポイント

1 相続人と財産の確認を「早めに、正確に」行いましょう

続税の申告は、まず「誰が相続人か」「どんな財産があるか」を正確に把握することから始まります。

戸籍をたどって相続人を確定させる作業は意外と時間がかかりますし、財産も預金・不動産・保険・株式など種類が多く、漏れが生じやすい部分です。

特に注意したいのは次の点です。
・被相続人(亡くなった方)の通帳は複数の銀行を確認する
・名義預金や貸付金などもチェックする
・古い不動産の登記簿を取り寄せ、所有者の確認を行う

「これも対象になるの?」というものもありますので、早めに税理士へご相談いただくのがおすすめです。
また、相続人が全国にいる場合や、家族関係が複雑なケースでは、早めの情報共有と整理がスムーズな手続きを助けます。
 
 

2 財産の評価方法によって税額が変わることを知っておきましょう

同じ土地でも、評価方法の違いで相続税額が大きく変わる場合があります。

不動産の形や広さ、道路との接し方、利用状況などによって評価額は異なります。
ご自身で判断せず、専門家の評価を受けるようにしましょう。

また、小規模宅地等の特例などを適用できるケースもあります。
「自宅の土地だから当然に適用できる」と思われがちですが、細かな要件を満たしていないと使えないこともありますので注意が必要です。

評価は申告の根幹となる部分ですので、慎重かつ着実に進めていく必要があります。
 
 

3 控除や特例を「早めに確認」しておくことが大切です

相続税にはさまざまな控除・特例があります。

配偶者の税額軽減、小規模宅地の特例、生命保険金の非課税枠などを上手に使うことで、税負担を大きく減らせる場合があります。

ただし、これらの特例は「申告期限内に申請しなければ使えない」ものがほとんどです。
「知らなかった」では済まされないケースもありますので、相続が始まったら早めに要件を確認しておくことをおすすめします。

控除の有無や適用条件によって、遺産分割の方法や納税計画にも影響するため、早い段階で全体を見通しておくことが重要となります。
 
 

4 遺産分割の話し合いは税金にも影響します

相続税の申告書は、遺産分割の結果をもとに作成します。

そのため、分割の話し合いがまとまらないと、申告に支障が出る場合もあります。
相続人の間での話し合いを早めに始め、方向性をそろえておくことが大切です。

もし話し合いが長引く場合は、「仮申告」や「申告後の修正」で対応できるケースもありますので、税理士と相談しながら進めていきましょう。また、感情的な対立を避けるためにも、第三者である専門家が同席することで冷静に進められることもあります。
 
 

5 納税資金をどう準備するかを考えておきましょう

相続税は、原則として現金で納める必要があります。

不動産が多く現金が少ない場合、「納税資金が足りない」という事態になることもあります。
そのため、申告前に納税資金の目安を把握し、
・預金の解約時期
・不動産や株式の換価計画
・生命保険金の活用
などをあらかじめ検討しておくことが大切です。

延納(分割払い)や物納の制度を使うこともできますが、手続きが複雑ですし、ほぼ利用されていないのが実態です。

納税計画を立てておくことで、申告直前に慌てることなく、心の余裕をもって対応できます。
 
 

6 申告後も安心できるよう、書類をきちんと保管しましょう

申告が終わっても、税務署から確認の連絡や調査が入ることがあります。

その際に「評価の根拠資料」や「申告内容の説明」が求められることがありますので、提出した資料や登記簿、契約書などはきちんと保管しておきましょう。

木村美都子税理士事務所では、申告後も安心していただけるよう、書類の整理や税務調査への対応方法についても丁寧にご案内しております。

また、次回の相続や二次相続を見据えた節税対策や贈与プランのご相談も承っております。
 
 

まとめ

相続税の申告は一見難しく感じられますが、ポイントを押さえて進めていけば決して必要以上に負担に感じるようなものではありません。

大切なのは、「早めの確認」と「正確な情報整理」です。

私たち木村美都子税理士事務所では、安心して申告を終えられるようにお客様に寄り添いながらサポートいたしております。「何から手をつければいいのかわからない」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。

初回相談では、現状の整理や必要な資料の確認などを丁寧にご説明いたします。皆さまの相続手続きが円滑に進み、安心して次の世代へ財産をつなげられるよう、専門家として全力でお手伝いさせていただきます。