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相続において気をつけたい「うっかりミス」と「勘違い」

ご家族が亡くなられた後は、葬儀の準備や各種手続きなどで慌ただしい日々が続きます。
そのような状況の中で、「早く手続きを進めなければ」と思い、良かれと思って行動した結果、思わぬ問題が発生しまうケースを見かけることがあります。今回は、相続におけるよくある「うっかりミス」や「勘違い」についてお伝えします。

相続発生後の預貯金の引き出し

相続が発生した後、「葬儀費用や当面の生活費のために」と、亡くなられた方の預金を引き出されることがあります。

もちろん、葬儀費用などで必要になる場合もありますが、ここで注意しておきたい点があります。

亡くなられた方の預金は、原則として相続人全員の共有財産となります。そのため、特定の相続人が単独で引き出してしまうと、他の相続人との誤解やトラブル、遺産分割の際の調整、税務上の説明などが必要になることがあります。

実際のご相談でも、「悪気はなかったのですが、兄弟から指摘されてしまい困りました」というお話をお聞きすることがありました。

引き出す場合は必ず引き出した日時と金額を記録し、引き出した預金で亡くなった方の葬儀代や関連費用を支払った場合は領収書、レシートなどは保管しておきましょう。

また他にも亡くなった方に関係することで支払いが生じた場合も領収書を保管しておきましょう。できれば他の相続人に預金を引き出し、何の請求がきているか、何の支払いをしたか共有しておくことが一番望ましいでしょう。

相続が発生した直後は慌ただしくなりがちですが、まずは落ち着いて状況を整理することが大切です。

相続税はかからないという思い込み

相続のご相談でよくお聞きするのが、「うちはそれほど財産が多くないので、相続税はかからないと思います」というお話です。

確かに、相続税には基礎控除があるため、申告が不要となるケースもあります。

しかし、相続税がかからないかどうかは、財産を正しく整理し、評価して初めて分かるものです。例えば、土地や建物などの不動産、生命保険金、被相続人名義の預金、名義預金、過去の贈与などを確認していくと、思っていたより財産の総額が大きくなることもあります。

相続税のことを気にしたことがない家庭の場合、とくに気を付けたいのが名義預金、預貯金の出金と入金、過去の贈与の有無です。よくあることとして、亡くなったのが夫の場合、夫の定期預金が満期を迎え、その満期金を妻名義の定期預金にしている、夫の預金から子の通帳に預金を移す(贈与ではない)などのことは、状況によっては財産として考える必要があるケースがあります。

「たぶん大丈夫だろう」と思い込んでしまうと、後から慌てて対応することになってしまう場合もあります。早い段階で財産の全体像を把握しておくことが重要です。

不動産を「とりあえず共有」

遺産分割の話し合いの中で、「とりあえず兄弟で共有にしておこう」と決めてしまうケースがあります。

一見すると公平な方法のように思えますが、実務の現場では不動産の共有は将来のトラブルにつながる可能性が高いと感じています。

例えば、売却したい人と持ち続けたい人で意見が分かれる、固定資産税や管理費の負担で意見が合わない、次の相続で権利関係が複雑(付き合いの薄い親戚関係で共有)になる、といった問題が起こることがあります。

不動産の共有は、一度決めてしまうと後から整理することが難しくなることもありますので、慎重に検討することが大切です。

「手続きは急いで終わらせた方がよい」という勘違い

続が発生すると、「早く手続きを終わらせなければ」と思われる方も多くいらっしゃいます。

確かに、相続放棄(3か月以内)や相続税申告(10か月以内)など、期限のある手続きもあります。しかし、すべてを急いで決める必要があるわけではありません。

むしろ、財産の内容を正確に把握すること、相続人の意向を整理すること、将来の生活を考えることが、後悔しない相続につながります。

相続では「早めの相談」が安心につながります

相続のご相談の中でよくいただくお言葉に、「もっと早く相談しておけばよかった」というものがあります。

相続は、税務だけでなく、不動産や法律、家族関係など、さまざまな要素が関係する手続きです。そのため、早い段階で全体像を整理しておくことで、思わぬトラブルを防ぐことができます。

特に、不動産がある場合、相続人が複数いる場合、財産の内容がよく分からない場合などは、早めに専門家へ相談されることで安心して手続きを進めることができます。

相続が発生すると、さまざまな手続きが必要になり、どうしても慌ただしくなってしまいます。しかし、相続の現場で起こるトラブルの多くは、急いで判断してしまったことや思い込みから生じています。

一度立ち止まり、状況を整理することで、落ち着いて手続きを進めることができます。
「何から始めればよいか分からない」という段階でも問題ありません。

初回の相談は無料となっております。
少しでも不安や疑問がある場合は、まずは一度ご相談ください。ご自身やご家族の安心のためにも、一つ一つ丁寧に進めていきましょう。