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少し時間が空きましたが、P.F.ドラッカーのマネジメントの続きです。
先日の投稿で以下の引用をしました。
企業は二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。
マーケティングについては以前触れましたので、今回はイノベーションについて考えてみます。
P.F.ドラッカー 『【エッセンシャル版】マネジメント 基本と原則』 ダイヤモンド社 2001年 P.17,18
P.17,18
企業の第二の機能は、イノベーションすなわち新しい満足を生み出すことである。経済的な財とサービスを供給するだけでなく、よりよく、より経済的な財とサービスを供給しなければならない。・・・イノベーションの結果もたらされるものは、よりよい製品、より多くの便利さ、より大きな欲求の満足である。
既存の製品の新しい用途を見つけることもイノベーションである。イヌイットに対して冷凍防止のためとして冷蔵庫を売ることは、新しい工程の開発や新しい製品の発明に劣らないイノベーションである。それは新しい市場を開拓することである。冷凍防止用という新しい製品を創造することである。技術的には既存の製品があるだけである。だが、経済的にはイノベーションが行われている。
イノベーションとは、発明のことではない。技術のみに関するコンセプトでもない。経済に関わることである。経済的なイノベーション、さらに社会的なイノベーションは、技術のイノベーション以上に重要である。
以下、補足コメントです。
皆様は「イノベーション」という言葉にどんなイメージを持っていますか? イノベーションというと、特許を取れるような発明・技術革新といった技術的なものというイメージを持っている方が多いのではと思っています。
実際には、イヌイットの事例でもわかるように、既存製品の新しい用途を提案することも「イノベーション」とされています。そして、それは新しい製品の創造であるとされています。
このことは、どの業種・中小企業においてもイノベーションは可能だ、知恵を出せ、と言われているのだと私は解釈しています。技術的なものだけでなく、「経済的・社会的」なものもまたイノベーションであり、イノベーションの範囲は広いのだからどの中小企業でもイノベーションは可能だと。
「イノベーション」という言葉が以前より少し身近に感じられていれば幸いです。
※写真は木村作成のイメージ写真です。
<ドラッカーのマネジメント、まだ18ページですね。なかなか進みませんがコツコツいきます。次回は「利益の持つ機能」について投稿します>