セミナー情報・ニュース
本日は午前中労使協定のチェックと新規開業の方の事業シミュレーションの数値化。その後お昼にちょっと税務署に寄って、午後は法人成りのシミュレーション・税金試算。私、戦術活動もやります。
さて、本日は楠木建氏の別の書籍『経営センスの論理』 2013年 新潮新書をご紹介いたします。
P.211,212
ビジネススクールで勉強しようという人の動機として、「具体的で実践的な知識を習得したい」という声がよく聞かれる。とりわけビジネスの世界では、「具体」は実践的で役に立つ、「抽象」は机上の空論で役に立たない、と決めつけてしまうような風潮がある。とんでもない思い違いだ。具体も抽象もどちらも大切。より正確に言うと、抽象的な思考がなければ具体についての深い理解や具体的なアクションは生まれない。抽象と具体との往復運動を繰り返す、このような思考様式がもっとも「実践的」で「役に立つ」というのが僕の見解である。
しばしば「あの人は地アタマがいい」というような言い方をする。抽象と具体をいったり来たりする振れ幅の大きさと往復運動の頻度の高さ、そして脳内往復運動のスピード。僕に言わせれば、これが「地アタマの良さ」の定義となる。
もちろん抽象的なモデルや論理だけでは仕事にならない。仕事は常に具体的なものである。しかし、抽象化なり論理化の力がないと、思考が具体ベタベタ、バラバラになり、目線が低く、視界が狭くなり、すぐに行き詰ってしまう。具体の地平の上をひたすら横滑りしているだけの人からは、結局のところ具体的なアクションについても平凡な発想しか生まれない。そもそも「人と違ったことをする」というのが戦略なのだから、そうした人には戦略は構想できない。
「この人は頭がいいな、デキるな」と感じさせる人は、決まって思考において具体と抽象の振れ幅が多い。
以上、長めに引用してみました。
昨日は第39回戦略実践ジムの開催日でした。この勉強会のベースはランチェスター戦略です。なぜランチェスター戦略をベースにしているかというと抽象的だからです。抽象的ゆえにあらゆる業種の経営戦略を考える上でのベースになりえると考えているからです。戦略を考える際に一度立ち戻る機軸になりえると考えているからです。もちろん、抽象的すぎて参加者がイメージできないとそもそも勉強になりませんので、そうならないように成功事例というわかりやすい具体例で勉強する工夫もしています。
昨日も成功事例の検討でした。興味深いのは抽象度の高い共通言語を持っていると、どの業種の成功事例を見ても皆で議論ができてしまうということです。そしてそこから学ぶことができてしまうのです。
「抽象と具体との脳内往復運動」=戦略(抽象)・実践(具体)・ジム(脳内往復運動)。戦略実践ジム、次回が40回目です。
なんとなく書評の気分だったので投稿内容を変更しました。
<月曜日はブックレットについて投稿する予定です>