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本日も楠木建氏の『ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件』東洋経済新報社2010年からです。昨日は戦略の本質の一つ、「違いをつくる」について投稿しました。昨日の復習もしつつ、もう一つの戦略の本質である「つながり」の方について記載します。
p.20,21からの引用です。
ストーリーとして競争戦略は、「違い」と「つながり」という二つの戦略の本質のうち、後者に軸足を置いています。競争戦略は、「誰に」「何を」「どうやって」提供するのかについての企業のさまざまな「打ち手」で構成されています。戦略は競合他社との違いをつくることです。・・・…
しかし、個別の違いをバラバラに打ち出すだけでは戦略になりません。それらがつながり、組み合わさり、相互作用する中で、初めて長期利益が実現されます。・・・個別の要素について意思決定しアクションをとるだけでなく、そうした要素の間にどのような因果関係や相互作用があるのかを重視する視点です。
戦略をストーリーとして語るということは、「個別の要素がなぜ齟齬なく連動し、全体としてなぜ事業を駆動するのか」を説明するということです。・・・個々の打ち手は「静止画」にすぎません。個別の違いが因果論理で縦横につながったとき、戦略は「動画」になります。ストーリーとしての競争戦略は、動画のレベルで他社とは違いをつくろうという戦略思考です。
以下、補足コメントです。
2011年6月11日のビジネス倶楽部の講師として楠木先生に来ていただきました。その際、おっしゃっていたことを以下に記載します。
・「自分がいちばん面白がっている。自分が面白くなければ人は絶対に面白がらない。面白ければ人に話したくなる。」
・「つまらない話はしないほうがいい。迷惑極まりない犯罪的行為」。
・「リーダーの条件 話が面白いこと。プレゼンテーションスキルではなく。」
・「思わず人に話したくなる話をする」
以上になります。
経営戦略を立案していく際に、「誰に」「何を」「どうやって」提供するのかを一つ一つ違いを作るべく深く考えていくことは重要です。しかし、それだけではまだ戦略とは呼べません。
個別に考えた後に、それらが有機的に絡み、最後一つの動画・経営者自身がワクワクして語りたくなるようなストーリーとなっているかどうか、聞いた人も思わず人に話をしたくなるような話になっているかどうか。こういう観点でチェックをしていただき、そこまでになっていればそれは優れた経営戦略になっていると考えていただいて大丈夫だと思いますので、あとは思い切って実行へ。
御社の経営戦略をワクワクするようなストーリーで語れますか。ぜひ一度試してみていただければと思います。
<明日は、「母校でドローン撮影」を予定しています>