木村美都子税理士事務所 木村昌宏税理士・社労士事務所

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2021年12月08日
僕の履歴書⑥ 衝撃

前回は木村青年が就職し、無事社会人としての船出ができた話をした。

今回から皆が楽しそうな学生時代を過ごしているのを横目に、当初想定もしていなかった税理士試験に向けて勉強を開始し、資格を取得し、希望に燃えて就いた税理士事務所の仕事に対して感じたギャップについて話をしていく。

なぜなら、この時に受けた理想と現実とのギャップの衝撃があまりにも大きかったことが、私の今の税理士スタイルに繋がっていると考えているからである。もちろん、これは前職場に限らず、税理士業界全体の話であるので、誤解の無いようにお願いしたい。

衝撃はいくつかあるのだが、一番衝撃が大きかったことは、月次でご訪問したお客様に監査を終え、最後経営者に試算表の説明をした時のことである。

「まぁだいたいそんな所だよね。売上は随時把握しているし、経費もそんなに大きくは変わらないから、まぁそんなものだよ」。「数字上の課題もわかった。で、どうしたらいいの?」。
当時の私にとっては相当衝撃的でした。


理想と現実のギャップ それはわかるんだよね。で、どうしたら?

①正しい試算表を早くに提供したいと思っていたが、経営指標としてはそんなに求められていなかった。全然感謝されない。
②「で?」って(あなたの会社のことなんですけど)。世の中の経営者ってこんなに他力?
③それは置いておいたとして、「で?」と言われた自分は何か答えを持ち合わせているのかと言うと、何も提供できないという現実。税理士試験等では一切出てこなかった問いである。

ここから、私自身へのこれらに回答するための絶え間ない問いかけの旅が始まったのである。

①に対しては、実際の所は正しい試算表は求められてはいた。税務面では税務署が入っても問題ないようにやりたいという経営者がほとんどだったし、金融機関に対してもしっかりと数字を出したいと。数字も概算では把握しているが、やはり前年対比や予実対比、科目ごとの増減に着目すると、経営者が把握しきれていない項目も出てきて感謝も多々あった。また、投資や節税等の意思決定をする時には、やはり正確な数字がモノを言う。

むしろ、経営者が敬遠していたのは、試算表や決算書のあの形式だったのだ。そりゃ勉強していたり、仕事にしている人からしたら、掛け算九九程度なものかもしれないが、経営者からしたら呪文のように見えるよなと。

もちろん、経営者自身にも最低限の学びは必要だと思うが、不足を補うのが税理士の仕事で、経営者には本業に専念してもらいたい。そんな想いがあり、この頃よりずっと決算書等をもっとわかりやすく説明できるツールを求めていた。それが後日出会うことになるブロックパズル・着眼点モデルである。ビジュアルで決算書の数字を説明でき、なおかつ経営者が苦手な減価償却や利益から借入返済という概念までを説明できる優れものである。私が脱・ドンブリ経営セミナーと称しお伝えしているあれである。

和仁達也先生と出会い、キャッシュフローコーチ資格を取ったことで、私の①の課題はすっきりと解決していった。ちなみに、これは自慢なのだが、現在七百名を超えるキャッシュフローコーチが輩出されているが、私は第0期のMVPである。実際、ここで学んだことを活かし、今も中小企業に良い形で還元できていると自負している。
(税理士・社労士・経営者)=題字も筆者

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