木村美都子税理士事務所 木村昌宏税理士・社労士事務所

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2022年01月25日
僕の履歴書⑦ 衝撃2

前回は私が税理士業界に入り感じた標準的なサービスとお客様である経営者が求めているサービスとの間にギャップがあり衝撃を受けたこと、さらにそのギャップを埋めるためにキャッシュフローコーチとなり、決算書や試算表をビジュアルでわかりやすく説明するノウハウを身に付けて、経営支援に力を入れてきたことを記載した。

じつは数値面からの経営支援の前にも学んだことはあった。それは経営戦略である。
言ったら、決算書や試算表は経済取引の結果に過ぎない。それを複式簿記で勘定科目をわけ、何にいくら使い、いくら利益やお金が残ったのかを記載したものでしかない。
そうであるならば、その結果の前に存在する行動を変えなくては業績向上は見込めない。

では、税理士や税理士事務所はその行動をより良い方向に変えていくためのヒントや気づきを経営者に与えられてきたであろうか。
私が考える答えは否であった。

やりたいことは経営者の頭の中にある。それが明確になっている場合もあるし、もしかしたらまだぼんやりとしか見えていない場合もある。しかし、どちらにしろその業界のプロである経営者が24時間365日ずっとより良い業績をと思って経営をしているのであれば、私たちは中途半端なアドバイスはできないだろうし、求められてもいないだろう。

もちろん税務上のアドバイス等は専門家としてお伝えすべきだと考えているが、経営支援においてはあくまで主役は経営者で、我々は何か気づきを得てもらうための質問等をすることで思考整理のお手伝いをし、意思決定を速め、結果利益を出し、キャッシュを増やしていくお手伝いをする立場なのだと考えている。

究極、資金繰りという概念から解放される位に内部留保が厚くなり、経営者に夜悩み無くぐっすり眠ってもらいたい。「経営って楽しい」と思ってもらいたい。ずっとそのような思いがあった。

私のこの願望に応えてくれるヒントをくれたのが、ランチェスター経営の竹田陽一先生であった。

ある方からのお誘いを受け、その竹田先生に福岡で直接お会いする機会をいただいた。
私が沼津に戻って2,3年経つ頃のことだ。


戦略と戦術の違いとは?
戦略の間違いは戦術では取り返せません

そして竹田先生の事務所で1時間程度の講義だったと思う。「戦略と戦術の違いを説明できますか」。「経営者とスタッフの役割は違います。経営者は戦略を、スタッフが戦術をやるのです。戦略が良くなかったら、いくらスタッフが戦術で頑張っても良い業績は残せません」。このようなことを言われた。

たしかに。私も3代目の後継者として必死に経営の勉強をしていてプレイヤーでもあった時期だったので、言われたら当たり前のことなのだが、その通りだと妙に納得したのを鮮明に覚えている。
そこから本格的にランチェスター戦略を勉強した。やればやるほどにこれは原理原則だなと思うようになり、まず私自身が経営に取り入れていった。

その後、経営者向け勉強会を開催し、この考え方を紹介したところ、やはりとても好評だった。当たり前のことしか言っていないのだが、それを日常では忘れがちだったり、ついつい省略してしまったりということがあるのが現実なのかと。

私が経営支援をする際は、必ずランチェスター戦略のフレームワークを頭の片隅に置いている。中小企業経営者にはぜひ全員に学んでもらいたい内容である。

(税理士・社労士・経営者) =題字も筆者

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