セミナー情報・ニュース
2021年2月9日(火)、「第46回ビジネス倶楽部」を開催しました。
今回も、前回と同様にオンラインでの開催となりました。
進行をする税理士・特定社労士の木村昌宏
講師には、元国税調査官・税理士である金田康弘氏をお招きしてご講演いただきました。金田氏は20年にわたる国税調査官を経て、現在は(一社)日本書面添付普及協会代表理事として、納税者も、税務署も、そして税理士事務所も幸せになれる『書面添付制度』の積極的な利用を推進されております。
昨日の講演では、税務調査のリアルな実態をはじめ、税務調査が入った際の経済的・精神的な損失、さらには税務調査を事前に防ぐ方法として『書面添付制度』を利用するメリットについてもお話いただきました。
『書面添付制度』とは、簡単に言うと、税理士がこのように監査しましたと税務署に対して所見を表明することができる制度です。
この制度を利用すると、税務署は納税者に対して税務調査を通知する前に、添付書面に記載されている事項について、税理士に対して意見を述べる機会を与えなければならないとされています。つまり、税務署はいきなり税務調査を行うことができず、税理士からの意見聴取というワンクッションを置かなければいけないということになるのです。
さらに、この税理士に対する意見聴取によって納税者の現状に特段問題がないと判断された場合、税務調査にならず、税務調査省略、となるのです。本制度の利用は税理士にだけ認められた権利であり、納税をする側に認められた数少ない意見表明が可能な制度として、今後益々の活用が期待されているものです。
ちなみに、気になる税務調査省略率は、金田氏が示していたデータによると約98.7%です。かなりの確率で税務調査が省略されていることがわかります。
しかし残念ながら、書面添付制度を利用している法人は全体の9.7%らしく、まだまだ普及していないのが現状です。会社における経理の体制が十分に整っていなかったり、税理士側が及び腰になったりしているのが原因かと考えられます。
弊社では、これだけの効果がありますので、以前より積極的に活用しています。実際、弊社のお客様のほとんどのケースが調査省略となっており、とても喜ばれております。税務調査の不安から解放されることで、経営者がより本業に専念できる環境を作ることができると考えています。このことは必ずやお客様の永続的黒字経営の実現に繋がっていくと信じています。
まだこの制度をご存じない方や、利用を検討したい方はぜひ気軽にご相談をいただけたらと思います。最近では、金融機関の中でも認知が広がってきており、しっかりした決算書を作っているということで、融資がスムーズになるという話も聞くようになってきました。このような副次的効果も期待できます。
次回のビジネス倶楽部の開催についてはコロナの状況をみながら検討していきたいと考えております。決定しましたらまたお伝えします。