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本日もP.F.ドラッカーのマネジメントの続きです。
P.F.ドラッカー 『【エッセンシャル版】マネジメント 基本と原則』 ダイヤモンド社 2001年 P.175、176
P.175、176
企業活動からリスクをなくそうとしても無駄である。現在の資源を未来の期待に投入することには、必然的にリスクが伴う。まさに経済的な進歩とは、リスクを負う能力の増大であると定義できる。リスクをなくす試みはもちろんのこと、リスクを最小にする試みさえ、リスクを非合理的で避けるべきものとする考え方が底にある。だがそのような試みは、最大のリスクすなわち硬直化のリスクを冒しているといわざるを得ない。
経営科学の主たる目的は、正しい種類のリスクを冒せるようにすることでなければならない。マネジメントのために、いかなるリスクがあり、それらのリスクを冒したとき何が起こりうるかを明らかにしなければならない。
以下、補足コメントです。
私は常々経営を科学したいと思っております。
経営の原理原則を押さえた上で、戦略を練りたいと思っています。
しかし、そうして練り上げた戦略も「仮説」であることには変わりがないと思っています。「仮説」である以上、リスク=不確定要素が付き物だと思っています。
そのリスクを正しく冒せるようにするのが経営科学、すなわち原理原則だと考えています。
そして経営とは、不確定要素であるリスクを伴っている戦略(仮説)を、いかに全社で全力で実行に移せるかだと考えております。仮に間違いだということがわかったらすぐに軌道修正の戦略の練り直し。そのたゆまない繰返しが経営の本質なのだと考えております。
リスクを最小化するという発想すら硬直化のリスクだというドラッカー。企業がリスクを積極的に取り、変化を恐れずに前進することの重要性を端的に表現してくれていると思います。
ドラッカーのマネジメントに関する投稿は今回で最後とさせていただきます。まだまだ引用したい記述はたくさんあるのですがきりがありませんので、興味を持ってくださった方は書籍を読んでいただければと思っております。
<明日は東京で研修です。その模様を投稿できればと思っています。>