セミナー情報・ニュース
本日も書評です。昨日も取り上げました横山信弘氏の書籍で、今日は『絶対達成する決断力のつけ方』ダイヤモンド社 2013年です。サブタイトルに「意思決定が速くなる『ノイズキャンセリング仕事術』」と記載があります。
以下、P.32~40を引用しながらまとめます。
著者は「直感の罠」には3つあり、その3つとは「確実性の罠」、「リスク過敏の罠」、「素人意見の罠」だと言っています。
「確実性の罠」:最適解を求める情報収集家は決断できない
人間は極端な数字に強い影響を受ける傾向があり、この傾向を「確実性効果」もしくは「確実性の罠」と呼びます。100%確実でなければ実践したくないという心理的トラップです。論理的に考えれば、100%うまくいく計画などあり得ないと理解できるにもかかわらず、決断できない人は、行動計画を作るときも「これで本当に100%うまくいくのか?」とついつい自問自答してしまうのだといいます。
「リスク過敏の罠」:「もっともらしい正論」が決断を鈍らせる
人間は目新しいリスクや謎の多いリスク、マスメディアで過大に取り上げられるリスクに対して過敏に反応する傾向があります。単純に、過去になじみのない出来事が起こるかもしれない。それに対して過剰に反応しているだけ。そんな肝っ玉の小さいことで、目標の「絶対達成」などあり得ません。「リスク過敏の罠」に引っかからないために大切なのは、物事を客観的に俯瞰することだといいます。
「素人意見の罠」:「素人意見」はノイズでしかない
自分がアクセスしやすい身近な情報を過剰に信じてしまい、論理的な決断ができなくなることを「利用可能性バイアス」と言い、「素人意見の罠」と名づけています。高度情報時代になり、このトラップにかかっている人が急増しているとのことです。
「この間、知人から聞いた話なんですけど、そういうやり方をしていると、かえって問題を増やすだけだそうですよ」とか、「最近、ネットで調べていたら、もっと他にいい方法があるみたい」などという発言です。利用しやすいものにアクセスして、自分の都合のいい情報を引き寄せるのです。その意見が正しいか、正しくないかは別として、素人の意見を鵜呑みにすることこそリスクがあります。素人意見が参考になることもあるでしょうが、決断は時間との勝負です。より効率よく、正しい決断をするためには、確率の高い情報にアクセスし続けることを心がけましょう。
以上、書籍より抜粋しながら私なりにまとめてみました。
特に「素人意見の罠」については思う所があります。私の勉強会の中で最近よく言っているのですが、世の中の法人の70%~75%は赤字企業です。ということは、ランダムに集まった経営者4人の飲み会があったとすると、そのうち3人は赤字企業の経営者ということになります。そういうことです。
色々とアドバイスをくれる経営者の方がいましたら、「まず決算書を見せてください!」と言ってみてください。まぁ、本当に言ってしまうとその瞬間に仲間を失うのでやめた方が良いと思いますし、親切心からのアドバイスだと思いますのでありがたくお聞きして、何か1つでも良いことを吸収する前向きな姿勢が良いと思います。ただ、色々な人が色々な所で色々なことを言いますので、自分なりの意思決定へのプロセスをしっかり持っておかないと、経営の軸がブレブレになってしまうリスクがありますのでご注意を。
<明日はちょっと息抜き投稿の予定です>