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本日は久しぶりに書評です。
水田裕木『”最低でも目標達成できる営業マンになる法”』(同文舘出版2013年5月)を要約してみます。
P.16~20
「どの数値に焦点を当てているのか」-ここが、トップセールスと凡人営業の最大の違いだ。では、なぜ、目標に対する焦点が変わるだけで、業績を上げることができるのか。
それは、脳の3大原則のうち「焦点化の原則」と「空白の原則」が大きく影響していからだと説明されます。
「焦点化の原則」とは、人は世の中にある大量の情報の中で、焦点が当たっている情報を無意識に選択している、というものです。朝のテレビでラッキーカラーが赤と言われたら、脳が赤に焦点を当てることにより、その情報を探さなくても、無意識のうちに赤が目に飛び込んでくるようになるというものです。
「空白の原則」とは、脳に空白ができると、人間はその空白を埋めたいという生理欲求に駆られるというものです。「昨日の夕飯は何を食べましたか?」と質問され、何を食べたかを思い出せなかった状態が脳に空白ができた状態と説明されます。このわからない状態を脳が嫌い、必死に思い出そうとし、「ん~、昨日の夜は何を食べたっけ?」といった具合に、必死に脳にできた空白を埋めようとする。脳はわからない状態に置かれると、状況がつかめないことに不安を感じはじめ、不安を感じると、安全・安心の欲求が起動しはじめ、その状態を回避するように脳に命令を与え、わからない状態を回避するために、答えを探しはじめる。しかも、この回避するための行動は、意識をしていない状態(無意識)でも、常に稼働し続けて解答を探し出す、というものです。
営業スキルを体得するには時間がかかるが、目標予算を高く設定して活動することは、別に時間がかかることではないので、まずは焦点化の原則と空白の原則という無意識の力を利用して、今のあなたのポテンシャルを最大限に発揮することが、トップセールスになる一番の近道だと説明されています。
これらは営業パーソンについての話ですが、経営計画の立案についても同様のことが言えるのではと私は思っています。経営計画の立案を私が推奨するのは、計画に全く違わぬように経営を行いたいからではなく、新たな目標に焦点を当てて経営した方が成果が出やすくなると私は確信しているからです。経営計画上で新たな目標設定をすることで、「焦点化の原則」が働き情報収集が加速し、「空白の原則」により思考も加速させることができるようになる。これが経営計画立案の最大のメリットだと私は考えているので経営計画の立案を推奨するのです。
<明日も、本日の書籍の続きを投稿します>